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活動レポート

園長インタビュー:地域を支える保育を通じて、コミュニティの活性化に貢献したい

2018年6月6日、宮城県石巻市にある「乳幼児保育園ミルク」で開催したそらべあ発電所寄贈記念式典の後に、園の教育方針や環境教育、式典の感想などについて、乳幼児保育園ミルク園長の相原かよみさんにお話を伺いました。


「そらべあ発電所」の設置に応募いただいたきっかけを教えてください

225645_02.png石巻市の担当の方から、FAXでそらべあ基金さんの「そらべあスマイルプロジェクト」のお知らせをいただいたことがきっかけです。

当園を開園する前の話にさかのぼりますが、石巻市の門脇明神で「保育園あいはら」という保育園を1995年に開園し、そこで地域の子どもたちの保育をしていました。
保育園あいはらは、2011年の東日本大震災で園舎が全壊してしまったのですが、被災後、子どもたちを預ける場所がないという地域のニーズに応えるため、すぐにマンションの一室を借りて小規模の保育を再開しました。地域の子どもたちの成長に貢献したい、その一心でやってきたのですが、紆余曲折がありながら、2015年1月にNPO法人を設立し、同じ年の4月に当園(乳幼児保育園ミルク)を開園したという背景があります。
NPO法人なので園舎も自前で立てており、太陽光パネルをつけたいと思っていましたが、費用面で実現が難しかったのが正直なところです。

FAXを見て素晴らしい取組みということに気がついたのが募集期間終了前のギリギリのタイミングで、そらべあ基金の皆さまに問合せをさせていただきながら、急いで応募しました。
思い返すと、問合せたときのそらべあ基金さんの対応がとても親切丁寧で、園の取組みに理解を示してくださって、とても好感が持てました。書類の準備は大変だけど頑張ろう!と思いました。
ギリギリに応募したので当選は無理かなと思っていたので、当選の一報をいただいたときには本当にうれしかったです。園のみんなも大喜びでしたよ。


乳幼児保育園ミルクでは、どのような環境教育をされているのでしょうか?

園の先生はもちろん、子どもたちにはとにかく資源を大切に使うことを教えています。手洗い、歯磨きのときは水を出しっ放しにしないこと、手を拭くペーパータオルも1枚で済ませる、といったことです。
そのほかには、廃材を使っておもちゃを手作りしたり、最近では畑も新しく作ったので、そこで食育のために子どもたちと一緒に野菜を育てたりしています。畑いじりや水やりの当番は1歳児から参加させていますが、スーパーで売っている野菜がどのような行程で食卓に並ぶのか、それを目で見て触れて一から学ぶことができるので、とても良いですよ。
 

園の特長は何でしょうか。

225645_03.png大きな特長は2つあります。
1つは、素晴らしい先生たちがいることです。当園の前身は「保育園あいはら」というお話をしましたが、当園で働いてくれている先生のほとんどが、「保育園あいはら」の時代から支えてくれている先生なんです。みな、子どもへの愛情が溢れんばかりの先生で、当園の財産は何か?と聞かれたら「働いてくれている先生です」と自信を持って言えます。
私も、園の先生が働きやすいような環境づくりを心がけていますが、先生たち同士も良好な関係を保ってくれていますし、先生の仲が良いと子どもたちも楽しい、というプラスの影響はあると実感しています。先生たちが優しく手厚い保育をしてくれているからこそ、当園の子どもたちはのびのびと素直に育ってくれているんだと思います。

もう1つは、地域の親御さんを支えるために、病後児の保育を実施していることです。当園があるエリアは、被災地から避難し、新たな生活をスタートさせた方がほとんどを占め、夫婦共働きで頑張っているご家庭も多いです。共働きだと、子どもが病気になっても、職場に迷惑がかかるという理由で休みづらいというのがやはりあるそうです。親御さんからの「なんとかできませんか?」というご相談をきっかけに、地域をサポートするために、病後児の保育にもチャレンジしよう!と思いつきではじめました。先生方にも協力してもらいながら、専用スペースの確保や専門の看護師さんの採用もでき、今では一日3人の病後児を預かっています。

そのほか、園の行事をとおして地域の高齢者と子どもの触れあいの場を設けたりもしています。地域の方々のサポートや触れあいを通じて、互いに支え合えるような良い関係を築いていきたいと思っています。私たちの取組みで、地域を元気にしていきたいです。
 

素晴らしい取組みですね。さて、本日の式典では子どもたちがとてもお行儀良く式典に参加してくれました。式典の感想をお聞かせください

今日の式典は約50分ほどでしたが、子どもたちは騒ぐことなく、素直にプログラムに耳を傾け、参加してくれました。見ていてとても嬉しかったです。私たちは基本のしつけやマナーが子どもの成長にとても大切だと考えていて、厳しすぎるかな?とたまに思うくらい、基本の生活習慣をきっちりと教えています。その日々の教えが活きたのでしょうか、いっぱい褒めてあげたいですね。
披露した歌についても、4月から練習をしていました。今日が一番、できが良かったと思います。本当にありがたい式典でした。


そらべあ発電所を今後どのように利用されていきますか?

そらべあ発電所は設置されたばかりですので、園の先生と相談しながら、有効な活用方法を考えていきたいと思います。発電量が分かるモニターを、子どもたちにいつも見せられるようにしたいな、というのはあります。
今回の寄贈をきっかけにやってみたい取組みとしては、今後、私たちにも太陽光発電についてのノウハウがたまってくると思いますので、それを石巻市内に向けて情報発信していきたいです。地球温暖化防止のために何ができるのか、多くの方と考えていきたいです。

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後列左から)ソニー損保 福田、新井、押切、吉川、小原
前列左から)遠藤副園長先生、相原園長先生

貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
同園で開催したそらべあ発電所寄贈記念式典の様子は、こちらをご覧ください。

 


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