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活動レポート

【37基目】学校法人 第一学園 第二幼稚園(熊本県熊本市)

20243月、「幼稚園にソーラー発電所をプログラム」による37基目の「そらべあ発電所」を、熊本県熊本市内にある「学校法人 第一学園 第二幼稚園」に寄贈しました。
当社による熊本県内の幼稚園・保育園への「そらべあ発電所」寄贈は、今回が初めてとなります。
この寄贈を記念して2024717日に同園で開催された「そらべあ発電所寄贈記念式典」の様子と伊藤園長先生へのインタビュー内容をご紹介します。

■第二幼稚園のご紹介
園では、子どもたちが困難でも粘り強く自分を信じて諦めず、問題を解決していけるような教育・保育目標を掲げ実践されています。生活発表会で年長児がエネルギー問題を調べて自分の考えを発表するなど「調べて・考えて・話し合って・発信してみる」という子どもたちの環境教育にも重点的に取組んでいます。
また、2016年に熊本地震で被災され在園児と家族の緊急避難所となった経験は、災害への対策や地域での役割を考えるきっかけとなったそうで、今回寄贈を受けた太陽光発電設備についても環境教育に活かしながら地域防災にも役立てたい、という強い意志をお持ちでした。
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式典の様子
当日は、式典会場となった園のホールに、第二幼稚園に通う年中・年長児85名と先生方の他、園の関係者、ならびに熊本市出身の「そらべあ」デザイナー Shinzi Katoh(加藤 真治)先生方にもご参加いただきました。
冒頭で「そら」と「べあ」をみんなで大きな声で呼んで元気に迎え入れ、そらべあ紙芝居の読み聞かせや、環境学習のクイズや発電体験と盛りだくさんのプログラムでした。クイズでは、質問するより前にパネルを見ただけで皆すぐに手を挙げて回答してくれるなど、大変積極的に参加してくれました。また、発電実験では熱い声援が飛び交うなかで一生懸命に手回し発電を回してくれて風を起こしてくれました。
全体を通して、参加してくれた子どもたちが楽しみながら学んでいた様子がうかがえ、日ごろからの環境意識の高さを感じました。

紙芝居や絵本などの贈呈後、年長さんによる、ベートーベン作曲「交響曲第9番 第4楽章 歓喜の歌」の合唱に始まり、最後は園歌を披露してくれました。「歓喜の歌」では、日本語とドイツ語両方で歌ってくれ、完成度も高く、非常に素晴らしい歌声でした。
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その後、伊藤園長先生よりお話をいただき、最後に皆で記念撮影を行い、無事に式典は終了しました。
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式典後、伊藤園長先生より、寄贈に対する思いや今後の環境教育に対する理念や考え方についてメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

【学校法人第一学園 第二幼稚園 伊藤園長先生へのインタビュー】

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Q1.寄贈記念式典についてのご感想を教えてください。
楽しいワークショップや紙芝居、子どもたちにしっかり伝わるご説明やご挨拶などもあって、気付けば1時間程もあった式典ですが、子どもたちの興味を持って真剣に聞く姿、自分にできることを考えて発言する姿が印象的でした。自発的に学びそして積極的に行動するには、やってみたい、なんでだろう、知りたいと意欲や興味関心を持つことがまず重要であると考えています。

式典内での学びと共に、自ら気づき、考え、行動するための教育の環境として贈呈いただいたソーラーパネルやモニター、紙芝居なども生活や活動の中で存分に生かしていきたいです。

そして、このように式典を行い、発信していくことで、当日参加した子どもたちや関わった大人だけでなく、関心のある方やこの取組みを知らない方にも、寄贈の活動や意義がより広まるようにすることが大切であると考えています。
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Q2.この度の寄贈についての率直な思いをお聞かせください。
今の社会において園には、教育はもちろん、災害を含めた安全、居場所の確保、地球環境の保全や地域の維持といった、社会や生活の重要なインフラとしての役割が求められています。この度のソーラーパネルの寄贈においても、環境教育に加え、発電による環境保全と共に、災害時の機能強化、地域への啓発などが求められていると考えています。
加えて、この寄贈の取組みを通して、企業と基金と教育機関が立場が違う中で手を取り、力を発揮することは、それぞれの役割を果たすことのできる貴重な機会です。この大切なご縁をきっかけに、さらに協力して、社会のため、地域のため、未来のために、地球環境の保全や災害被害の低減、地域の居場所作りなどで具体的な取組みを進めていけたら幸いです。

Q3.日頃、また、今後の環境教育についての理念や考え、構想などを教えてください。
教育は環境を通じて行われます。意欲を持って自ら調べ、考え、話し合い、表現していく言語活動の中でのSDGsに関連する発表会や緑のカーテン、植物の栽培や観察、生き物の飼育、近隣の山林での自然探検といった経験、季節ごとや日頃の教育活動に加え、日々実施している、服の譲渡や絵本の寄贈、地域とのつながりや居場所としての食堂開催といった循環型で持続的な取組みによって、日常でそれらに当たり前に触れる環境を作っています。
これからも太陽光発電システムや今後のV2H(※)などとの接続も含めて、環境負荷や災害被害の低減に寄与すると同時に、子どもはもちろん大人や地域の方々にも、ますますそのあり方に触れられる場としていきます。また、現在設置されている発電設備や雨水利用の設備とも連携することで災害時に頼れる園作りを一層進めてまいりたいです。

最後に、そらべあ基金への寄付を通してパネルを寄贈していただいたソニー損害保険様、設置をしていただいた地元のゆめソーラー様、選定や手続き、あらゆるやり取りをしていただいたそらべあ基金の担当の方々、関わって下さった皆様に、そして、当日までの準備だけでなく、現場で子どもたちに丁寧に教育活動への導入をし、環境への興味を持つきっかけを作ったり、子どもたちと共に環境保全への日常の取組みをしたりしていただいている先生方にも心から感謝を申し上げます。

※Vehicle to Homeの略で、電気自動車やプラグインハイブリッド車のバッテリーに貯めている電力を、自宅で使えるようにする機器を指します。

 
第二幼稚園の皆さま、式典開催にあたり多大なご協力をいただき誠にありがとうございました。


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