2020年11月、「幼稚園にソーラー発電所を☆プログラム」による28基目の「そらべあ発電所」を、愛媛県松山市にある「大護さとやま認定こども園」に寄贈しました。愛媛県の幼稚園・保育園への「そらべあ発電所」寄贈は、今回が初めてです。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、通常の寄贈記念式典は実施できませんでしたが、式典用のそらべあ環境教育ツールなどをお貸しして、園の先生方による環境教育のイベントを開催していただきました。また、当社とそらべあ基金から、子どもたちが環境問題について楽しみながら学べる記念品を贈りました。本レポートでは、園やイベント開催時の様子、理事長先生からのコメントをご紹介します。
同園は、緑あふれる高台にある幼稚園由来のこども園で、自然との触れ合いを通した保育を実践されています。園児たちは、晴れの日も雨の日も園の裏側に広がるだんだん山(里山)へ登り、雨の音や風の音を聴くといった五感を使うネイチャーゲームなどに興じ、四季の移り変わりを感じながら、知的好奇心や想像力を高めていきます。
また、園内の駐車場の照明は簡易的な太陽光器具を利用されるなど、日頃から省エネにも努められています。
このたびの寄贈に際し、理事長先生よりコメントを寄せていただきましたのでご紹介します。
・応募のきっかけについて
本園は、四国霊場第五十番札所繁多寺に連なる山の中腹斜面にあります。昨今の西日本豪雨などの自然災害により、ここ数年は隔年くらいの間隔で床下浸水などの被害が発生するなど、地球温暖化による自然災害の驚異を肌で感じずにはいられない状況でした。
そんななか、松山市保育・幼稚園課を通じてこのプロジェクトの存在を知り、園児たちに自然環境を守る大切さを伝えていくきっかけになるのでは?と考え、応募いたしました。
全国で2園というかなりな倍率のため、まず無理だろう!という大方の予想に反して選定の知らせを受けましたので、正直大変驚いたことを今でも覚えています。
・日頃の環境教育
本園では園児たちが畑で作る野菜を自分たちで調理し、食すといった食農教育を行っています。太陽の光を浴びて育った野菜たちをいただくことで、生命への感謝の気持ちを育んでいます。
“好奇心は、自然物と触れ合うことで芽生えてくる”という創立者の考えから、園舎は自然環境を十分享受できる山の中腹にあります。日常的に裏山に登り、大きな樹木とシダや苔、小鳥や昆虫たちと出会います。野に咲く花や草、小さな生き物たちとの触れ合いから、四季折々の景色を見て、雨の日でもカッパ・長靴で外を散策するなど、自然事象を通じて知の力を育てています。
・今後の環境教育
寄贈をお祝いする会で、手回しで電気をおこし、電球を点灯させ扇風機を回し、電気を作りだす大変さを体感できたことで、自然エネルギーへの感謝の気持ちが生まれたように感じます。
また、絵本の読み聞かせにおいて、地球温暖化により北極の氷が溶け、そら君べあ君がお母さんと離れ離れになって悲しい思いをしていることを園児たちも考えてくれたようです。再びそら君べあ君の家族が一緒に幸せに暮らせるように、自分たちにできることは何かを考えるきっかけとなり、電気を消す、コンセントを抜く、ゴミを少なくすることを心がけるなど、日々の生活の中で実践していってくれることを期待しています。
また、園におけるエコ活動も、先生を通じて園児たちへ引続き伝えていきたいと思います。
<園内での環境教育イベントの様子>
先生による環境問題に関するレクチャーや、紙芝居、実際に園舎の屋根上に設置されたソーラーパネルの写真に真剣な眼差しを向ける園児たち。
イベントには、そら君とべあ君も来てくれました。そら君とべあ君からもらった絵本を手にする園児たち。
手回し発電も大人気。園によると、子どもたち自ら礼儀正しく並んで待っていたそうで、最終的にイベントに参加した園児たち全員が体験してくれたそうです。
大護さとやま認定こども園の皆さま、園やイベントの様子をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。