2020年3月、「幼稚園にソーラー発電所を☆プログラム」による26基目の「そらべあ発電所」を、大阪府堺市にある「社会福祉法人堺ひかり会 幼保連携型認定こども園 登美丘西こども園」に寄贈しました。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、寄贈式典は実施せず、子どもたちが環境問題について楽しみながら学べる記念品を贈りました。本レポートでは、同園よりご提供いただいたお写真とともに、園長先生からのコメントをご紹介します。
園庭での集合写真。素敵なパネルを作成していただきました。
同園は、2010年度から大阪大谷大学教育学部とともに、幼児期の環境教育を研究主題として、「自然が大好き、大切にしたい」と思える子どもを育てるための保育環境のあり方を探ることを目的に実践研究を実施されています。研究結果に基づき保育環境を改善し環境方針を策定するなど、自然と生活を結ぶ活動に積極的に取組まれています。
グラウンド状態だった園庭にビオトープを作られたそうで、子どもたちの学びの場となっています。
今回寄贈した太陽光パネルの年間予測発電量は約3,722kWhで、これは同園の年間消費電力の0.7割を占めるようです。
このたびの寄贈に際し、園長先生よりコメントを寄せていただきましたのでご紹介します。
・応募のきっかけについて
太陽光パネルを屋根に設置することで地球温暖化防止の一助になればという思いは、開園当初よりありました。しかしながら、設置費用が高額なため実現には至っていませんでした。そのようななかで、ある日、知人から寄贈の応募情報をもらい、実践活動を重視している当園としては真っ先に応募しないといけないのではないか、また、なんとありがたい事業だとの思いで、応募の決心をしました。書類作成には苦慮しましたが、選ばれてホッとするとともに設置工事の際も屋根に損傷を与えない技術で施工してくださり感謝しています。
・周囲の反応や、子どもたちの様子
2020年1月の工事に向けて、太陽光パネルの設置についてお知らせを出しました。無事に工事が終わり、子どもたちも保護者も実感が湧いたようです。保護者がわざと子どもに「あれは何?」「どう見るの?」などと問いかけし、子どもが答える姿もありました。モニターが明るく反応するので、保護者の目によく付きます。
・日頃の環境教育
教育・保育には栽培や飼育が大事と明治時代から言われていますが、栽培や飼育だけで終わってはいけないのでは?その後についてくるものは何?という思いから、当園の環境教育の実践研究が始まりました。2020年度は取組みを始めて11年目になり、毎年3月末に実験記録をまとめています。今年は記念すべき年で、過去10年間の記録の抜粋を本にして出版していただきました。0歳児から自然を好きになるように保育者が関わり、4・5歳児になると、子どもにできる環境保全の活動も行っています。
・今後の環境教育
当園では「無駄をなくそう」と、子どもたちが「水道の蛇口をしっかりしめよう!」「水やりは雨水タンクの水を使おう!」「誰もいない部屋は電気を消そう!」など実践しています。しかし、太陽が電気を発電する、水や風が電気を発電するのは本で知る程度で終わっていて、子どもにはあまり実感がないと思います。今回太陽光パネルの設置により、実際に電気が発電され、モニターで確認されるのが良いと思っています。目に見える教材となり、4・5歳児が理解できるように折にふれて話を出していきたいと思います。
登美丘西こども園の皆さま、情報をお寄せくださいましてありがとうございました。