2013年10月30日、茨城県水戸市にある保育園「ひまわりのお家」での「そらべあ発電所寄贈記念式典」の後に、式典の感想や園の教育方針・環境教育などについて同保育園・理事長の木村裕子(きむらゆうこ)さんにお話を伺いました。
「そらべあ発電所」の設置に応募されたきっかけは?―
2011年3月の東日本大震災で被災し、園の屋根が落ちてしまったことがきっかけでした。もともとの建物が古かったこともあり、「建替えの際は太陽光パネルを・・・」と考えていましたが、もろもろの修繕費用が高くついてしまい、残念なことにそれは実現しませんでした。しかし、それでも太陽光パネルは欲しいと思っていましたので、2年前に応募したんです。今回は、2年越しの忘れた頃の「そらべあ発電所」の当選でしたので、本当にうれしかったです。(笑)
園ではどのような環境活動に取組んでいますか?―
環境に良い布おむつの導入や園の照明をLEDに変えるなどの取組みも実施していますが、熱心に取組んでいるのはグリーンカーテンの栽培ですね。東日本震災後を経験し、「何かできることを」と思って震災後から実施するようになりました。
時期になると、施設の壁面に園児とともに朝顔の種まきを行うのですが、種まき前には「朝顔が立派に育つとお部屋が涼しくなるから暑い夏がくるまでにみんなで育てましょう!」と説明をしています。すると、子どもたちもはりきって種まきをしてくれました。
「ひまわりのお家」の教育方針や特長を教えてください―
当園では「インクルージョン教育」を実施しています。障がいのある子どもを受入れて、障がいのない子どもと一緒に教育をするというもので、障がいのある・なしに関わらず、小さいうちから助け合うことの大切さを育みたいと思っています。
そして、子どもたちの「これがやりたい」などの考えを否定するのではなく、肯定することも大切にしています。良いことでも悪いことでも、子どもの意欲を尊重して「そうだね。それをやったらどうなる?」と教えるようにしています。否定せずに意欲を尊重すること、すなわち自己肯定を積み重ねていくことで、子どもが「自ら考えるようになる」ことにつながると思っています。
また、「遊ぶ」ことも大切な時間ととらえています。「遊ぶ」ということは子どもの五感をフルに活用させること。おもちゃ作りもさせていますが、ものを作る⇒脳を使う、ということ。遊びにはいろいろな可能性がつまっているのではないでしょうか。
「そらべあ発電所」をどのような形で環境教育に取入れることができそうですか?
当園はもともと省エネで、夏でも冬でも自然の中で遊ばせることを意識しており、あまりエアコンに頼ることはありません。お散歩にもよく出かけるので、部屋で過ごす時間は、あまりないかもしれません。
とは言うものの、これから冬になり、寒くなるにしたがって電気の使用量も増えると思います。エアコンをつける場合でも「電気はどこから作られますか?」といったように、本日の式典で学んだことを復習する形で、電気の大切さを教えていきたいと思います。
でも、子どもは一度耳にしたことをよく覚えているものです。大人は忘れることもあるので、ふとしたタイミングに子どもたちから電気の大切さを教わることもあるでしょう。(笑)
最後に、式典はいかがでしたか?―
環境や電気の大切さについて、丁寧に教えていただいてありがとうございました。式典に参加した子どもたちも、しっかりとお話を聞けていたかと思います。
普段はのびのびと育てるようにしているのですが、今日は本当にしっかりと式典にのぞんでくれていました。
式典の内容ももちろんですが、式典の最中に子どもたちの成長を垣間見ることができて、本当に感動しました。
最後に、ソニー損保の皆さま、そらべあ基金の皆さま、当園に「そらべあ発電所」を寄贈していただいて本当にありがとうございました。
インタビュー後の記念撮影にて
左から)ソニー損保・小原、市村、中西、ひまわりのお家・理事長 木村様、櫻井様、そらべあ基金・青木様、ソニー損保・福田