2012年10月25日、佐賀県の同朋天神保育園での「そらべあ発電所寄贈記念式典」の後に、式典の感想や園の教育方針・環境教育などについて同保育園・理事長の森山隆子(もりやまたかこ)さんと園長の武重範子(たけしげのりこ)先生にお話を伺いました。
「そらべあ発電所」の設置に応募したきっかけをお聞かせください―
武重園長)
佐賀県内は太陽光パネルの設置が非常に進んでいます。今はちょうど園の増築を行っているのですが、増築を進めるにあたって県からも「太陽光パネルを付けたらどうか?」と言われていました。そのこともあり、前々から太陽光パネルは設置したいと思っていたのですが、園の増築のためにすべきことが他にたくさんあり、そこまでなかなか手が回っていませんでした。
そんな時に、県から「そらべあ発電所」の設置先の募集について、案内をいただいたことが応募のきっかけでした。
園の教育方針は―
森山理事長)
この保育園では、『幼児期にしつけをしっかりとする』ということを一番大事にしています。私は、子どもは5歳までの間に人間としての基礎が決まると思っています。ですので、保育園は小学校の準備期間という位置づけであってはいけないと考えています。話の聞き方、あいさつの仕方、食事の仕方…あらゆることを子どもたちに教え、しつけていくことが大切なのです。しつけをしっかりとすることで、落ち着きのある、心が強い子どもになるのです。
また、子どもにはたっぷりと愛情を注いであげ、なおかつ、その愛情を子どもに実感してもらうことも大事だと思っています。子どもは愛情を受取ることによってのびのびと育っていくものです。
園でもそのように接することはもちろんですが、子どもが家庭内でも愛情を実感できるようにしなければなりません。私たちは、子どもたちの家庭が幸せになるようにサポートすることも使命と思っています。私たち保育者は、子どもと一心同体である母親、ひいては家族にまで目を配り子どもたちの家庭が幸せになるよう、これからもサポートしていきたいと思っています。
式典では子どもたちがとても礼儀正しいのが印象的でした―
森山理事長)
『幼児期にしつけをしっかりとする』ことの一環で、子どもたちには礼儀正しくするよう教えています。
目を見てあいさつすることは、相手を敬うことにつながります。あいさつをはじめとした基本的なしつけをしっかりとしていけば、子どもたちがより良い人間関係を築いていけると考えています。
「そらべあ発電所」が設置されて、園児や保護者の反応は―
武重園長)
保護者からの反応はとても良く、大変喜ばれました。
子どもたちは「そらべあ発電所」が設置されてから、家庭でも太陽光パネルの話をしているようです。子どもからその話を聞いて、親も勉強になっている、と耳にすることもあります。
日頃、園の環境教育として取組んでいることは―
武重園長)
生ゴミ処理機を使って生ゴミを肥料として再利用し、その肥料を園で借りた畑にまいて野菜を作るという取組みをしています。
季節に応じていろいろな野菜を作り、収穫した野菜はそのまま園の食事で出します。何よりも新鮮な野菜ですので、野菜が苦手だった子どもも、進んで食べてくれるようになります。
子どもの食育として食の大切さを教えることができますし、親御さんにも「苦手な野菜が食べられるようになった!」と、とても喜ばれますね。
また、園では紙オムツを使わずに、布オムツを利用することにしています。園ができた当初からずっと布オムツを利用しており、環境にも優しい取組みだと考えています。
今後、「そらべあ発電所」を環境教育に取り入れることはできそうでしょうか―
森山理事長)
「そらべあ発電所」の設置を受けて、子どもたちの自然への関心がとても高まったと思います。ペットボトルに水を入れて太陽光で温めてお湯にしてみるなど、自然を使った実験などを取入れて、子どもの環境に対する理解を深めていければ、と考えています。
最後に、式典はいかがでしたか?―
森山理事長)
子どもたちに式典などの荘厳な場を体験させることは大事なことだと思います。今回の式典は、荘厳さもあり、楽しさもあり、とても良い式典であったと思います。ソニー損保の皆さん、そらべあ基金のみなさん、本当にありがとうございました。
ただ心残りなのは、子どもたちは歌や踊りが大好きなので、もっと広々とした場所で踊らせてあげたかったですね。(笑)
理事長の森山さん、武重園長先生、貴重なお話をありがとうございました。