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活動レポート

園長インタビュー:地域のつながりを大切に

2012年6月1日、岩手県盛岡市立つなぎ幼稚園での「そらべあ発電所寄贈記念式典」の後に、式典の感想や園の教育方針・環境教育などについて園長の千葉和寿(ちばかずひさ)先生、副園長の伊藤敦子(いとうあつこ)先生にお話を伺いました。eco201206_002_01.JPG

千葉園長先生から式典の感想をお聞かせいただきました―

(千葉先生)
ソニー損保さん、そらべあ基金さん、今回はありがとうございました。子どもたちに環境の大切さを伝えることができ、とても有意義な式典になったと思います。ソーラー発電所には発電量と電気の消費量が一目で分かる表示器がついていますよね。「目で見てエコを感じられる」こと、 環境教育においてこれほど良い教材はないですよね。私は小学校(市立繋小学校)・中学校(市立繋中学校)の校長も兼任していますので、幼稚園だけでなく、小学校、中学校の子どもたちにも見せて、環境について考えさせたいと思います。

 続いて、副園長の伊藤先生に園の教育方針や環境教育などについてお話を伺いました―

 応募のキッカケを教えてください

(伊藤先生)
2011年3月11日の東日本大震災の影響で、停電が3日間続いたことがきっかけでしたね。盛岡市全域が停電になったのですが、電気もなくガソリンも手に入らない・・・子どもたちも私自身も本当に不安な生活を送りました。そんなこともあり、電気を含む、エネルギーの大切さを知りました。電気を自前で作れたらいいのに・・・園でそのように考えていたところ、「そらべあスマイルプロジェクト」のことを知り、応募させていただきました。

 子どもたちへの教育でこころがけていることは

eco201206_002_02.JPG(伊藤先生)
子どもたちには「モノ」を大切にしなさい、と教えています。「モノ」といっても広い意味で使っているのですが、まだ使える紙などはとっておいて有効利用する、水の出しっぱなしには注意する、といった小さい子でも分かりやすいところから取組めるように環境を整えています。文具では再生紙などのエコ商品を購入する、節水・節電を実施するなど、園全体でエコアクションに取組んでいます。
また、食育活動を通して食の大切さも教えています。種から育てて、収穫できたら自然の恵みに感謝して食べる。自然のひとめぐりを教えていくことで、食の大切さを覚え、そして「モノ」を大切にするということにたどり着くと考えています。
以前、種からどうやってこんなにたくさんの食べ物になるか園児に質問してみたら、「魔法!」と返ってきたこともありました(笑)。そうやって和ませてくれた園児も、植物の成長には水と太陽の力が必要だということにも気づいてきているようです。

 つなぎ幼稚園の特長は?

(伊藤先生)
小学校(市立繋小学校)・中学校(市立繋中学校)の校長先生が、幼稚園の園長先生を兼任しており、小学校・中学校と連携が取れるところですね。幼稚園の行事に小学校低学年が参加したり、5歳児が低学年のプールに入らせていただくこともあります。中学生が幼稚園児と一緒に遊んだり絵本の読み聞かせに来てくれたりもしています。また、小学校のカリキュラムを知ることで、幼稚園で大切に育てていかなければならないことのヒントを得ることもできるんです。
そして卒園した子どもたちの多くが、目の前にある小学校・中学校に入学します。子どもたちの成長を間近でみることができるのは、教育者にとってとても幸せなことだと思っています。

 地域みんなで子どもを育てる

eco201206_002_03.JPG(伊藤先生)
この地域は、みんなで子どもを育てよう、という意識が強くあるんです。
毎日のあいさつはもちろん、農家を営んでいるご近所の方が園に貸してくれる畑で芋掘り体験をしたり、分けていただいた種で農業体験などもしています。また、防災訓練をやる時には地域の消防署の方が協力してくれたりもします。
そういった地域の方とのつながりがあるおかげか、子どもたちはつながりを大切なものと理解して育ってくれていると思います。小学校や中学校に進学した卒園生が、いまだに幼稚園に遊びにきて、お花の手入れなどを手伝ってくれることもあるんです。
ちなみに、今日は式典のあと、子どもたちは地域のお祭りに参加する予定です。子どもたちは皆地域の方との触れ合いを楽しんでいますよ。

ソーラー発電所が設置されて、園児や保護者の反応はいかがでしたか?

(伊藤先生)
保護者の方からは停電になった際に助かる、との声をいただきました。震災の影響で盛岡一帯が停電になったので、この地域の方は皆、電気のありがたさを実感することができたのだと思います。ですので、保護者の方だけでなく、地域の皆様からも「ありがたい」との声をいただきました。設置されたのは2012年2月の冬で、設置時は氷点下の日がまだ続いており効果をあまり実感することはできませんでしたが、春が近づいてくるにつれてソーラー発電の力を実感できてきました。子どもたちにはこれから、ソーラー発電所を通じて環境のことについて教えていきたいです。

式典はいかがでしたか?

eco201206_002_04.JPG(伊藤先生)
式典ではソニー損保さんやそらべあ基金さんが、子どもたちに電気や水の大切さ、そして今からすぐに取組めるエコアクションについて教えてくださいました。式典の後、子ども たちがテレビのインタビューを受けていたのですが、しっかりと「環境を大切にしていきたい」と答えていました。そういった光景を見て、子どもたちにとって、とてもためになった式典だったんだな、と感じました。そして私が何よりも良いと思ったことは、多くの保護者の方に参加していただけたことですね。
子どもだけでなく、大人も一緒になってエコアクションについて考えるきっかけになったと思います。「大人も環境を意識して子どもたちの世代に伝える」ことは、とても心強いと思いますね。
 
 

園長の千葉先生、副園長の伊藤先生、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。


式典には園児の保護者の方のほか、町内会長さんや民生委員さん、駐在所・消防署の方など多数参加してくださいました。地域で子どもを育てる、そんな言葉がピッタリのつなぎ幼稚園でした。


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