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活動レポート

園長インタビュー:楽しい保育園

2010年10月15日、石山保育園(岐阜県海津市・園長 平田弓子氏)での「そらべあ発電所寄贈記念式典」に先立ち、平田園長先生に石山保育園の保育方針などについてお話を伺いました。

「年をとったら、本当は寄贈とか寄付とかする人になりたかったんですよ。それなのに、逆にもらってばっかりで・・・」と、ちょっと恐縮しながら始まったお話には、平田園長先生の、保育に対する深い熱い思いがぎっしりと詰まっていました。

 

 

eco2010_003_01(DSC03195).JPG行事がいっぱい―

見てください、これが今年の年間事業計画。行事がたくさんあるでしょう。先生方は大変でしょうけど、子どもにしてみたら毎日楽しいですよ、きっと。

毎日来るのが楽しい保育園にしたいんです。ちょっとくらい嫌なことがあっても、次来たらコレがある。その次はアレがある・・・、そういうのがわかっているから、子どもたちも毎日楽しく来ることができるんです。だから、保育園がお休みでも来てしまう子どももいるんですけどね。そういうときは、今日は休みだから帰りなさいって言わないといけない。それほど、来るのを楽しみにしてくれてるんです。

 

「出来ない」は許さない―

でもね、楽しいことは苦しいことを体験しないとわからないんです。だからこの保育園では、何かやって途中で“出来ない”は許されないんです。どんなに辛くてもそれを乗越えないと楽しさはわからない。だから、これは私のワガママなんですけど、途中でやめることは絶対、許していないんです。例えば、近くの堤防のブロック登り。最初は登れない子もいます。でも、絶対あきらめさせない。先生がお尻を下から支えてでも登らせる。先生方は大変でしょうが、そうすることで、子どもの中でのレベル感はいろいろでしょうが、大なり小なり自信をつけ、達成感や楽しみを覚えていきますから。

 

保護者の40%が卒園児―

最近は、ケガを恐れて危ないことをさせたがらない親御さんもいるようですが、ここの保護者は違います。実は、保護者の40%は卒園児なんです。昭和49(1974)年の開園ですから、当時通っていた子どもたちが今、大人になって自分の子どもを通わせているんです。そして、「先生、あの行事まだある? あれ、まだやってる?」と、自分が経験した楽しい出来事を自分の子どもにも経験させたいと言ってくれているんです。辛かったこともそれを乗り越えることで楽しい記憶になって、自分が親になったときに子どもにも体験させたいと思ってくれているのでしょう。事情があって、やめてしまった行事もあるんですけど、そういうのは、とても残念がられています。

 

eco2010_003_02(DSC00159).JPG序列はつけない―

それから、能力で子どもを選別・線引きしたり序列をつけたりすることはしません。なんでも“くじ引き”で決めます。

今回の式典で、そらべあのぬいぐるみと絵本をもらう役目も、“くじ引き”で決めました。当たった子どもはもちろんとても喜びますが、外れた子どもも文句は言いません。“くじ引き”が平等だってわかってますから。

 

当選は、ごほうび―

今回の「そらべあ発電所」の当選は、“ごほうび”じゃないかって、言ってるんですよ。近くにある、258号線(国道)の休憩所が汚かったんです。それで、卒園児や保護者のボランティアと一緒に5年前から月1回掃除をしているんです。

保育園では日々、野菜や果物などたくさんのいただきものがあるんです。毎日いただいたものをリストにしたら・・・本当に毎日いろんなものをいただいていて。何かお礼をしないといけないという気持ちから始めたことですが、そういう活動を見ていてくれる人がいて、ごほうびに当選させてくれたんじゃないかって。

子どもたちには、自分から行動することを学んでほしいと思っています。休憩所も誰かに言われたから掃除しているわけでもないし、きれいにするために貼り紙をしているわけでもありません。勝手に始めたことで、最初は注射針なんかも落ちていましたが、最近はだいぶきれいになりましたから。

 

実は、好き嫌いが多くてね(笑)―

園では、本当に毎日いろいろいただくんですけどね、ときどき、とっても残念なの。なんだかこうして話していると、偉そうなことばっかり言ってるように聞こえるかもしれないけど、実は好き嫌いが多くてね(笑)。あまり好きではない食べ物をいただくこともあって、そういうときは、残念で・・・(笑)

でもね、子どもが大きくなったときに、こんな保育園に通っていたんだと自慢できる保育園にしたいんです。ここでできることは限られているんだけど、でも、少しでも楽しい保育園にしたくて、いろんな行事やイベントをやるんです。

 

 

eco2010_003_03(IMG_5537).JPG楽しい保育園。

実践には、ほかの先生方や保護者・近隣の皆さんなどたくさんの方々の協力があってこそだと思います。「実は好き嫌いが多くてね・・・」と言えてしまうその一面も、魅力の1つになって人を惹きつけ、自然と周囲を巻込んでいるように感じました。― 大変そうだけど巻込まれてみたい、人間味あふれるお話ぶりは、ついそんな気になってしまうほど・・・

 

平田園長先生、貴重なお話をありがとうございました。


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