SONY

活動レポート

そらべあ基金インタビュー(その2)

そらべあ基金インタビュー(その1)からの続きです。

「そらべあ基金」の代表理事でいらっしゃる岩間さん。どういった経緯でそらべあ基金に関わるようになったのでしょうか?
そして、そらべあ発電所を寄贈された幼稚園の子どもたちはどのような反応なのでしょう?


■岩間さんとそらべあ基金との関わり

ソニー損保 片岡:
岩間さんとそらべあ基金との関わりというのはいつくらいからなのですか?

岩間さん:
僕自身は、幕張で行われた「Live Earth」あたりからですね。その時はまだ関連するNPOのスタッフとして取材に行ったり、ボランティアに参加したりしていたんです。

ソニー損保 宮下:
「そらべあ基金」ができたのいつですか?

岩間さん:2007年の9月です。その時はまだプロジェクト名でした。。
ちょっと複雑なんですけども、「NPO法人ソーラーシティ・ジャパン」が出来て、その中の1つのプロジェクトのような形で「そらべあ基金」をスタートさせました。

その中で、そらべあを使ってこれからもどんどん再生可能エネルギーを啓発していく活動とか、環境教育をやっていこうということで、あっちこっちで朗読会をやったり、絵本のパネル展をやったりしました。
そのうちソニーさんから、そらべあ発電所をつくるプロジェクトのために、電池の売上げを寄付しましょうという話をいただきました。
本格的にNPOにした方がいいということで、2008年4月に「NPO法人そらべあ基金」として独立させたのが2008年4月ですね。その時に僕は理事になっています。

ソニー損保 宮下:
グリーンエネルギーっていろいろありますけども、ソーラーにこだわった理由は?

岩間さん:
(初代の代表理事)上岡の思いが強いと思うのですけれども、1つは「ひだまり~な」というソーラー発電システムから始まったことと、実際システムとして完成されているのは、まだソーラー発電ぐらいだったんですよね。まだなかなか風力発電は家庭にはつかないですよね。

ソニー損保 宮下:
そういえば昔“○○ソーラーじゃけん”っていうCMがありましたよね?

ソニー損保 片岡:
それって、ソーラー「発電」じゃなくてソーラー「温水器」じゃない?

ソニー損保 宮下:
あれは温水器か。失礼しました(笑)。あれはソーラーエネルギーですけど、発電ではないのですね。

岩間さん:
そうですね。ソーラー発電は光を利用しますが、○○ソーラーは熱を利用するんですね。熱でお湯を沸かすものですね。

ソニー損保 宮下:
なるほど、そうなのですね。熱と光と別な訳ですね。

ソニー損保 片岡:
ところで幼稚園や保育園にソーラー発電システムを寄付していこうというのは、どういった発想で出てきたのですか?

岩間さん:
そらべあ基金を立ち上げたときに、すでに環境教育と2本柱となっていましたから、グリーン電力の普及という点ではは自然な流れでした。

ソニー損保 松田:
「子どもたちのために」というプロジェクトなのですか?

岩間さん:
「子どもたちのため」はもちろんそうですが、子どもを中心に、親御さんたちや地域への波及効果がありますよね。特に公共的なところにつくるソーラー発電システムは。

ソニー損保 宮下:
子どもを通して親が知るってこともありますもんね。で、地域に根ざせば地域住民の方にも知ってもらえるということですね。

岩間さん:
子どもの影響ってすごく強いと思います。僕は12週間環境に関する日記をつけ続けるという環境教育媒体の制作もお手伝いしていますが、この日記を始めるご家庭の中には、最初、嫌がる親御さんがいらっしゃるんです。「家で何もやっていないじゃない」ってということで。、でも、子どもたちが夢中になって、それに感化されて、最初は「エコなんか関係ない」という方が、最後はソーラーパネルをつけるくらい影響を受けちゃうってこともあるんですよ。

ソニー損保 宮下:
なるほど、面白いですね。大事ですね、幼稚園っていうのは。

ソニー損保 片岡:
いろいろソーラーの普及に取組んでいる環境団体が多い中で、子どもへの環境教育に取組んでいらっしゃるところが、そらべあ基金さんの独自性だと感じているんですね。
弊社がパートナーを探す際も、そこのところが他にもないよねというのが社内の議論でもあったんです。
実際今まで設置された、「そらべあ発電所」の数というのは幼稚園で何ヵ所になりますか?

岩間さん:
7ヵ所ですね。


ソニー損保 片岡・松田
(写真:ソニー損保 松田・片岡)


■子どもたちの反応

ソニー損保 片岡:
幼稚園での「そらべあ発電所」の贈呈式の様子とかはブログとかで拝見しているのですが、実際、子どもたちの反応というのはどんな感じなのですか?

岩間さん:
いやーもう、非常に喜んでいただけて、たいへんな騒ぎですよ!贈呈式の時に、“そら”と“べあ”が出てくるんですけども、「きゃぁぁ~」という感じで(笑)。みんな抱きつくんですよ。ちょうどお腹の辺りですよね。気持ちよさそうに。

ソニー損保 宮下:
実際に当初想定された環境教育というのは、幼稚園に設置された後の反響というか効果はどういうものがありますか?

大塚さん:
設置した後の次をどう教育に活かすかはまだ模索中なんですけども、子どもたちが「おひさまから電気が出来るんだ」ということには気がついてもらえるかなと。

ソニー損保 宮下:
幼稚園生くらいだと、まだ「どこから電気が生まれる」とかあまり考えないですものね。

岩間さん:
ましてや温暖化のしくみもよくわからないけれど、小さい頃にそばにあったというのは大事ですよね。

大塚さん:
あとから気づいてもらえれば。

岩間さん:
ソーラー発電システムは「そらべあ発電所」という名前で呼んでもらっていますけども、それがある幼稚園で2、3年でも過ごしたということが、小学生になっても記憶に残っていると思うし、環境問題について考える最初のきっかけになればいいなと思っています。

ソニー損保 宮下:
初めて設置されたのはいつ頃だったんでしょうか?

岩間さん:
初めてのは2008年の10月です。葛飾区の東江幼稚園です。

ソニー損保 片岡:
贈呈式のときにそらべあの絵本の読み聞かせをして、そのときに初めて子どもたちが温暖化というのは何かというのを知るんですかね?

岩間さん:
そうですね、ただ絵本の中では温暖化について詳しく触れているわけではなく、“そら”と“べあ”の旅立つストーリーです。その先、幼稚園の先生方が話をしてくれているのかなと思ってはいるんですけども。

大塚さん:
昨年のイベントを記録したビデオを見ると、子どもたちに「地球温暖化って知っている?」 って聞くと、だいたい皆「知ってる~」という返事はありますよ。たぶん幼稚園の先生が事前に話されているのかもしれないんですけど。
今はテレビなどで温暖化についての話が出てくるので、なんとなく気がついているのかなという。

ソニー損保 宮下:
ただそれが何であるかはあんまりよくわかっていないみたいな感じですよね、きっと。

岩間さん:
そうですよね。そこから先は、どんどん大きくなって、その過程で自分から学んでいってくれるといいなと思っています。

大塚さん:
小学生位になると一般の大人より危機感は強いとよく聞きますよね。

岩間さん:
だって、「大人が悪い」 ってよく言われるもの(笑)。小学校などに取材に行くことがあるんですよ。環境媒体がらみで。そうすると、「やっぱり、大人がいけない」 と言われたりすることがありますね。

ソニー損保 宮下:
僕たちは何もしてなくて生まれてきたのに、大人たちがそういうことをやっていたから僕たちが割を食う・・・みたいな。

(取材日:2009年8月12日、取材場所:そらべあ基金)


(そらべあ基金インタビュー最終回へ)


活動レポート