2017年3月22日、大阪府四條畷市、社会福祉法人北出福祉会なわてすみれ園で開催したそらべあ発電所寄贈記念式典の後に、式典の感想や園の教育方針・環境教育などについて同保育園園長の中山 航(なかやま わたる)さんにお話を伺いました。
私はよくスマホを使って情報収集するのですが、ある園にそらべあ発電所が寄贈されたという話をウェブのニュースで知ったことがきっかけでした。
当園は2015年4月に園舎の建て直しをしています。太陽光パネルがあると災害時の拠点として活躍し、園の子どもたち、保護者の皆さまだけでなく地域の方々にも安心を与えられるという点で、新園舎には太陽光パネルを付けたいという希望はありました。ですが、その当時は太陽光パネルの価格が高騰していて予算の面で実現ができませんでして。
「当選すればよいな・・・」くらいの気持ちで応募をしたところ、今回の当選のお知らせを頂戴しました。
関係者に当園が選ばれたという話をしても「冗談言うんじゃない」と、信じてもらえなくて(笑)。まさに信じられないほどうれしいお話でした。「そらべあ発電所」を大切に使わせていただきます。
そらべあ発電所は園舎の屋上に設置させていただきましたが、園庭からはパネルがほとんど見えず、安全のため子どもたちは屋上に上がれないので、子どもたちの目に触れる機会はほとんどありません。そのため、子どもたちの実感はまだそれほどないようですが、当園での教育の一環として有効活用させていただくと決めているので、これから子どもたちに太陽光や電気の話をたくさんしたいと思っています。
保護者の皆さまですが、設置の知らせを聞いてとても喜んでくれました。
面白いのが、当園ではお迎えの時など保護者の方が園舎にいらっしゃるのですが、そらべあ発電所が設置されてからは、部屋に無駄な電気が点いていると保護者の方が自発的に消してくださるようになりました。そらべあ発電所が電気を作ってくれているというありがたみが、保護者の皆さまにも伝わったのでしょう。
また、当園は保育園機能を開放し、地域の方々との交流もはかっています。地域の方々ももちろん喜んでくださいました。
子どもたちが直接触れたり食べたりと、日常生活において経験する出来事に対して、「目に見える過程を知る」ことが大切だと思っています。
当園では菜園を整備していますが、例えばじゃがいもを苗からではなく種から育て、子どもたちの口に入るまでの過程を体験・学ばせるという食育活動を行っています。自分たちで作った食べ物を調理させることもあります。
また、菜園の木にちょうちょのさなぎができていたら、それを子どもたちの見えるところに置いて一緒に育てたりもします。
食べ物でも生き物でも何でも、1からの過程を知って体験してもらうことで、物事に対して「なぜ?」と考えられるようになり、五感が育ち、自発的な子どもに成長してくれると考えています。
保育室の飾り付けも「先生が作って、はい、終わり」ではなくて、子どもたちも飾り付けの製作に関わってもらうようにしているんですよ。
はい、電気が作られる過程を教えることはなかなか難しいのですが、そらべあ発電所があれば、とても分かりやすくその過程を教えてあげることができそうです。
子どもたちの飲み込みは早いですからね。どのように教えていくか、今から楽しみです。
今日の式典ではそらべあ基金さん、ソニー損保さんをはじめ、四條畷市の市長様もいらっしゃるなど、とても多くの方々に出席いただき、心から感謝しています。
子どもたちはいつもと違う雰囲気で緊張していたようですが、そらべあの紙芝居や、そらべあ基金さんの電気のお話にしっかりと耳を傾けてくれていました。特に、紙芝居での「自分から行動しないと何も始まらない」というアザラシの台詞が、心にとても響いたのではないでしょうか。
また、私たち園のスタッフにとっても、今回の式典が自らの行動を振返る良いきっかけになったと思います。
子どもたちに物事の過程を教えるということは私たちにとっては普通のことでしたが、そういった普段の取組みが進んでいるということも、今回の当選理由の1つとして聞いています。いつもの取組みが、正しい教育につながっていたと認められたような気がして、誇らしい気持ちにもなりました。
これから子どもたちは電気の大切さをもっともっと知っていくでしょう。子どもの興味や関心を育てるのが我々の仕事ですので、そらべあ発電所を有効活用させていただき、これからも子どもたちの成長を支えていきたいと思います。
中山園長先生、貴重なお話をありがとうございました!
後列左から)ソニー損保 武藤、佐藤、小原、福田
前列)中山園長先生