活動レポート

「オルタナ」森 摂 編集長インタビュー(その1)

去る2009年8月10日「環境とCSRと志のビジネス情報誌 オルタナ」編集長の森 摂(もり せつ)編集長を訪問し、「オルタナ」への想い、そして「幼稚園にソーラー発電所を☆プログラム」についてのご意見をお伺いしてきました。
かなりの分量になってしまったため分割して公開します。

オルタナ森編集長
(オルタナ 森 摂 編集長)

(取材日:2009年8月10日、取材場所:オルタナ編集部)

環境とCSRと志のビジネス情報誌『オルタナ』 の詳細はオルタナのウェブサイトをご覧ください。  URL http://www.alterna.co.jp/

【オルタナを発行された経緯、オルタナにこめられた想いについて】

ソニー損保 宮下:
「オルタナ」をご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、まずは「オルタナ」についてお伺いしたいと思っています。
まずは発行された経緯や、こめられた想いなどをお聞かせいただけますでしょうか。


■雑誌「オルタナ」の原点

森編集長:
僕は20年近く新聞記者をやっていましたが、数年前に辞めて2006年に「オルタナ」という会社を立ち上げました。よく「環境の雑誌ですね」と聞かれますが、僕は「違います」とお答えしています。オルタナの表紙に「環境とCSRと志のビジネス情報誌」と表示していますが、要するに環境だけを取上げる雑誌ではないのです。

20世紀、日本は資本主義の中心の一つにいました。そして、これは日本だけではなく世界もそうですが「20世紀の資本主義あるいはビジネスの価値観」というものがあります。僕はこの価値観が21世紀にどう変わっていくのかに一番興味があります。

つまり、20世紀の「ビジネスのモノサシ」とは売上高や利益であり、なかでも株式の時価総額で会社の価値が決まります。21世紀は、そのような指標も大事ですが、それにプラスして大事な価値観が出てくるのではないかという仮説を立てました。

具体的には、地球環境に配慮した経営であり、あるいは地域社会と共生するビジネス、社員を大事にする会社、などといったもので、そのような新しい「モノサシ」を探ろうというのが「オルタナ」の原点です。


■天から降ってきた「オルタナ」という名前に込めた想い

森編集長:
「オルタナ」という雑誌の名前は、英語の「オルタナティブ」から来ています。日本語に訳すと「もう1つの」「新しい」「伝統的ではない」という意味です。まさに、21世紀これからの「ビジネスのモノサシ」をはかる雑誌の名前にピッタリだと思います。

僕はこの名前を雑誌が始まる10ヶ月ほど前に考えていたのですが、ある日自転車に乗っていたら天から降ってきたのです(笑)。こんな良い名前は絶対に商標登録されているだろうなと思いつつインターネットで調べてみると、なんと空いていたのです。しかも「alterna.co.jp」というドメインまで空いていました。僕はこの「オルタナ」という名前は神様に頂いたものだと思っています。

インタビュー光景


ソニー損保 宮下:
「オルタナティブ」という言葉は、文化的なシーンで使われることが多いですよね。


森編集長:
そうですね。その中でも「環境」は最重点分野です。それと同様に「CSR」も最重点分野です。そして「志」という言葉を使ったのは、20世紀の高度成長期からバブル崩壊というの流れのなかで、こういった青臭いものが忘れられ、世の中の関心が金銭的な面ばかりに世の関心が言ってしまった結果ではないかと思うからです。
このような反省もあって、あえて「志」という言葉を入れました。「環境」、「CSR」、「志」、この3つは最も重要なワードとしておそらくずっと使い続けるでしょうね。


■「ビジネスの軸を23.4度傾けよう」

ソニー損保 宮下:
「オルタナ」読者の方は、オルタナティブな運動を展開していく上での大切なパートナーだと思うのですが、「オルタナ」という媒体や言論的な活動を通して、企業や一般消費者にどのように変わっていって欲しいと思いますか?


森編集長:
最近、「ビジネスの軸を23.4度傾けよう」と良く言っています。23.4度というのは地軸の傾きのことです。地球が23.4度傾きながら公転していることで地球上に四季が生まれました。それが生物多様性も生み出したのです。

僕が申し上げたいのは、地軸の傾き、つまり地球環境に自分たちのビジネスを合わせていこうということです。環境やCSRの取組みとは、革命を起こすと言っているのではありません。180度転換するのが革命だとすれば、23.4度はほんの少しです。スキーの斜面でたとえると、23.4度というのは中級くらいの割と簡単な斜面で、決して難しいことではありません。
要は「ちょっと変えればいい」ということを提唱したいのです。それは、やはり無理のないということが大事だと思うからです。

ソニー損保の皆さんもそうだと思いますが、いろいろな会社の環境・CSR担当の方に聞くと、環境活動やCSRについて社内の人間に理解してもらう方が大変だとおっしゃいます。
外よりも中に伝える方が大変なのです。無関心といったら言葉は良くないですが、関心のない人にとっては全く興味がなかったりするからです。

環境やCSRというのは、綺麗ごと、正論、メセナ的など、要するに正しいことです。正しいことを大威張りで主張しても、人はあまり賛同したがらないものです。そこには、カッコよさ、知的な面白さ、親しみやすさなど、何か人を惹きつけるものが必要です。だからこそ、「出来ることから」や「身近な」というのは非常に大事なことだと思います。


ソニー損保 宮下:
一気に180度変えるのではなく、23.4度というのが大切なのですね。


森編集長:
そうです。これは「環境とビジネス」や「環境とライフスタイル」という点でよく議論されますが、だれしも当然、今までの便利さを捨てたくはありません。ですから、まったく誰も何も我慢しない、変えないというのは問題がありますが、ちょっと変えることでCO2の削減に貢献したり、環境への負荷が小さくすることができます。

もっと言えば、環境への関心を持ってくれるだけでも良いのです。環境に関心があるという人はまだまだ世の中では一部ですので、マイノリティをマジョリティにしていくためには、正しいことや偉そうなことだけではダメで、楽しかったり面白かったりすることが必要だと思っています。


(取材日:2009年8月10日、取材場所:オルタナ編集部)


「オルタナ」編集長インタビューその2へつづく

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